File Maker
クラリス社からFile Maker社へ社名変更し、データベースに特化した会社として生まれ変わった。その主力ソフトであるFile Makerは、その使いやすさと高機能さで、今やWin用でも定番ソフトとして定着しつつある。Macで生まれ育ったソフトがどこまで登り詰めるか?楽しみである。
 
データベースに関する基礎知識
File Maker(以下ファイルメーカー)はカード型のデータベースソフトである。要は図書館などにおいてある、本の情報カード(作者やタイトル、内容などが書かれたもの)がパソコンソフトになったわけである。
データベースと表計算の違いについても説明しましょう。機能的にはかなり重複する要素を含んでいます。簡単に言えば、項目を縦に並べるか、重ねるかの違い。計算や集計などはほぼ同じことができます。あと、データベースは検索や情報の共有が得意で、表計算はグラフが得意です。ちなみに私は表計算(Excel)が苦手なので、グラフが必要でない限りは、大抵ファイルメーカーで作ります。私の知り合いは、データベースに近いものをExcelで作ります。それくらいの差かな?ただ、多くの人が共有するデータは、データベースの方が断然有利です。自分だけが見るものなら何でもいいんじゃないですか?
 
ファイルメーカー基礎知識
現在のバージョンは4.1(1998年12月)。Mac/Win両方のバージョンがそろう(拡張子は.fmj)。3.0からリレーショナル(複数の書類のデータが連動する)機能が加わり、本格的なデータベースソフトの仲間入りをした。4.1からはデベロッパーバージョンも登場し、ランタイム(ファイルメーカーを持っていなくても実行できる。アプリケーションも同梱された感じのもの。もちろん機能制限がある)版も製作可能になった。また、クライアントサーバー機能を強化させるためのファイルメーカー・サーバー3.0もあり、専用サーバーを置くことで、高速な処理も可能となる(クライアントが多い場合)。最近では、ファイルメーカーを使用して、Web公開(常時接続、専用サーバーが必要)できるなど、ネットとの親和性も高い。
 
アップデート情報
ファイルメーカーPro 4.1v2(Mac・Win)
ファイルメーカーPro 4.0v3(Mac・Win)
ファイルメーカーPro 3.0v4(Mac・Win)
ファイルメーカーProサーバ 3.0v2(Win)
ファイルメーカーProバインダ 4.1v2(Mac・Win)
 
激安購入の裏ワザ
とにかくキャンペーンが多い。ホームページProやファイルメーカー(旧クラリス製品も含む)の登録ユーザーであれば、嫌と言うほど案内が届く(年に3.4回はくる)。ただ、必ずしもタイムリーとは言えないので、タイミングが難しい。とにかく安いと思った時にキャンペーンの尻馬に乗ること。一番安価なホームページProを買い、キャンペーンまで待つのが最良だが......。とは言っても今欲しければ買うしかない。
 
ビジネスの現場での活用術
ハッキリ言いましょう。どんなデータでもファイルメーカー書類にすると便利です。社員名簿から、見積もり書。顧客データ(住所録)に在庫管理。テストデーターや生産管理にも便利です。現時点でコンピュータ管理されていないものは全てぶち込んでもいいんじゃないですか?端末には、WinやMacが使用できるので、驚くほど安価なシステムになります。
 
ファイルメーカーワンポイント講座
ファイルメーカーはカード型のデータベースと言いましたが、基本は、1枚の紙(レイアウト)にいくつかの項目(フィールド)を用意して、情報を書き込んでいくだけです。これが、100枚になり、1000枚になってくるとデータベースとしての威力を発揮します。10件くらいのデータ?やるだけ無駄です。ファイリングケースを買ってきましょう!?
1.実際にどんな作業をするか見てみましょう。新規作成を選ぶとフィールド定義と言う恐ろしく無機質なウインドウが開かれます。
 
これだけ見ると、何をやっていいかパニックですよね?データーベースを作る時には、まず何をしたいか、設計図を書く必要があります。いきなり作ろうとしても、よけいなフィールドを増やすばかりで、だいたいコケます。(じゃぁそんなもん見せんじゃねぇ!?.........ごもっとも。)
 
2.では、気を取り直して、どんなことをやりたいのか決めます。データベースで最初にやりたがるのが、住所録。確かに定番だし、一度作るとホントに便利。会社の顧客データなんて、何百件、何千件になっても平気です。季節のお便りを出す時の宛名シールも一発です。98年に大変と思われた郵便番号の7桁化や、電話番号の8桁化も楽勝。自分で設定しきれなかったら、気前のいい人たちが、計算式をあちこちで公開しています(そのはずです。でもそれ位は簡単なのでがんばった方がいい)。
それでは必要そうな項目をリストアップ。
  1. 会社名(これは必須ですね。株式会社や有限会社と言ったものもちゃんと入れます)
  2. カナ読み(検索などは重宝します)
  3. 住所(1段でもいいですし、レイアウト的に2段にわけることが多いです。)
  4. 電話(最近は、ダイヤルインが多いので、2つ準備しましょう)
  5. FAX
  6. 担当者(本当は別書類を作って、ポータルで表示させると便利。でも今回は難易度が高いのでやらない)
  7. 担当者部署
  8. 担当者役職
だいたい必要事項はこんなもんでしょう。備考も入れるのが定番です。
 
3.さて、項目が決まりました。後は先ほどのフィールド定義に打ち込むだけです。
 
 
フィールド名に項目を入力します。その下に「タイプ」というのがありますね?これはぶっちゃけたはなし、全部テキストでもかまいません。日付けや、時刻などは明確なので、それを選んで、とりあえず全部テキストでいいです。使いたい機能が出てきてから変更しても遅くはないです。入力し終わったら、「作成」ボタンを押して下さい。できましたか?
 
4.入力が終了したら、「終了」ボタンを押して下さい。レイアウトモードでなければ、何も反映されないので、モードを一旦「レイアウト」にします。もう一度モードを見ると、「新規レイアウト」と表示されるので選択し、タイプは「標準」で「OK」ボタンを押します。そうするとあら不思議。データベースの出来上がり。
 
  
5.実際には、枠の指示をしたり、背景と付けたりするのですが、きっかけづくりなので、こんなもんでしょう。ここまで来てなんですが、ファイルメーカーには便利なサンプルがついています。
 
サンプルを見て、どんなふうに作っているのか研究するのもよいでしょう。使いやすいように変更して(カスタマイズ)みましょう。
 
6.その他に、注目すべき機能として、リレーションがあります。リレーションとは、ひとつの書類のデータを変更すれば、異なる書類の関連データもリアルタイムに変更することができます。この設定は慣れが必要なのですが、一度身につければ、最強の武器になります。加えて、現行バージョンでは、ポータル(ひとつの書類上に関連するデータを表示させる)機能も充実してきていますので、極めれば、そこら辺の専門ソフトに負けないソフトができます。
 
最後に。ファイルメーカーは本当に優れた機能を優しいインターフェイスで提供してくれます。最近では他のデータベースとの互換性も強化され、とてもお手軽ソフトとは思えないような進化をしています。シェア的にも「アクセス」を抜きそうな雰囲気(単独ソフトな分、使用者は多いかも知れない)。是非一度お試しあれ。どこかにも書いたが、私なんぞは、会社の見積もり書、住所録、在庫・受注・商品管理、技術報告書、テストデータ(ここまでは全部連動している)、給与計算(海外用)、受注生産管理システム(海外用)など、あらゆるデータをファイルメーカー上に乗せ管理活用している。この他にもFAXモデムで直接FAX送信したり、Web公開もできる。こんな便利なソフト他にある?

以上で簡単な説明を終わるが、会社に1本常備薬みたいなソフトである。こんな便利なソフトを専門家だけに使わせるのは勿体無い。素人でも十分にもとはとれるはず。さらに詳しく知りたい人は、下のHPも見て下さい。

気軽にファイルメーカーのことを勉強できる(ファイルメーカーに関しては職人的なWebが多い)。SOHO関連も充実。メーリングリストもある。

いわゆる総本山。

 
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