通信機器編(Mac中心)
外付けの通信機器と聞いて、真っ先に思い浮かぶのはモデム。思わず「カプラ」と答えていた。オジさん具合がわかります。
 
通信機器
No1. モデム
'98年に56Kの規格統一が進み、ショップでは56K規格(通信速度56000bps)以外は見つけることが難しいくらいになってきました。ISDNも普及の一途をたどっているため、現時点でどちらがいいとは言い切れないのですが、初心者なら迷わずモデムにしましょう。今後主流になるかもしれないADSLと言う640k〜1.5kbps、高速通信モデムはアナログ回線用だし、無線を使ったものも出るようなので、必然性が無い限りはISDNにする理由が見当たりません。
初心者がISDN(TA)よりモデムが向いている理由をいくつか挙げます。
  1. ISDNの場合、DSU・TAが揃わなければ通信を始められない。最近は場所により申込から開通まで1ヶ月以上も待たされることはザラなので、熱い気持ちを削いでしまう。
  2. 通話料金が安い。確かに通信速度はISDNの方が格段に速いのだが、転送時間より見る時間やメールを書いたりする時間の方が明らかに長いので、アナログ通信(通常の電話)の方が基本料金もオプション(テレホーダイやタイムプラス)料金も安い。例外としては、2回線確保したい場合やFAXも使用している場合などで、1回線を占有すると困る場合と既にISDN回線を引いている場合だ。
  3. まだモデムの方が使いやすい。最近はそうでもないのだが、プロバイダによってはISDNに対応していない所があったり、BBS等でも通信ソフトやアクセスポイントによっては対応しないことがある。TAやDSUが故障すると電話もかけられなくなるし、モデムの方が一般的におまけソフトも多い。究極は飽きたときでも、投資額が少ない(モデムだけの出資で済む)ので諦めもつく。
まぁ、最近は内蔵モデムも多いし、56Kなら通信速度もISDNと大差ないので(体感的には50〜70%)、モデムでもいいと思います。
じゃぁ、実際に何を買えばいいか?使用目的の95%以上がインターネットかパソコン通信(ニフティ等)だと思うので、契約するプロバイダ等のアクセスポイントの仕様を確認した方がよい。前述した56Kには2種類の規格があり、X2とK56Flex、どちらに対応しているか確認する必要がある。V.90という統一規格があるんじゃないの?と思われるかもしれないが、まだ全てのプロバイダが対応しているわけでもなく、V.90になっていても、互換性が損なわれているモデム(モデムを動かす為のプログラムの問題だと思うが)もあるので、プロバイダに確認を取って推奨モデムを買うのが安心できる。仮に33.6Kまでしか対応していないからと言って、安い33.6Kモデムは買わない方がいい(タダとか2.3千円なら別だが)。33.6Kと56Kでは体感速度は2倍の速さがある。
購入基準としては1万円以下。V.90の正式勧告が決まって、98年夏以降のモデムの新製品は1万8千円前後と高止まりをしていたが、年末から安くなってきました。添付ソフトによっては2万円近いものもありますが、ほんとに欲しいソフト以外は無駄だが、欲しければ安い買い物になるので、良く考えて欲しい。メーカーも重要な購入基準となります。あまり聞いたことのないメーカーだと、そのあとのサポートが受けられない可能性もあるので、有名メーカーの物を買いましょう。
 
No2. TA(ターミナルアダプタ)・DSU
モデムの話では薦めないようなことを書きましたが、インターネットヘビーユーザーやデータ通信中でも電話を利用したい場合(2回線確保したい)は、迷わずISDNでしょう。通信速度は速いし、1契約で2回線の通信が可能で、トータルメリットが高い。
ISDNの場合も契約している(契約予定)プロバイダの対応は確認しましょう。まれに、アクセスポイントによって、対応していない場合があります。
ISDNはデジタル回線なので、モデムの替わりにTA・DSUを使用します。最近はDSU内蔵のTAがほとんどです。以前まではDSUは進化するが、TAは進化度が少ないので、別体型を買ってDSUのみ買い換えるとお得などと言われていましたが......。
価格は2〜3万5千円。ナンバーディスプレイ機能などがついている最新機種は高いようです。Macとの親和性などを考えると、NECのAtermシリーズが現在のお奨めです。その他の場合は、やはり有名メーカーの物がいいでしょう。
 
(C)NEC  Atermシリーズ
 
No3. ルーター
イーサーネットの急速な普及に伴って、個人用途でもルーターが選択肢にはいるようになりました。ほんの数年前までルーターは大変高価で、1台100万円以上していたのですが、この1.2年で価格が急速に下がり、安価な物だと4万円位で買えるようになりました。
ルーターとTAの区別がつきにくいので説明します。両者ともデジタル回線を使った通信機器という点では同じなのですが(DSUも必要)、TAは1対1の接続を前提としているのに対し、ルーターはネットワーク同士(多対多)を接続します。従って、閉鎖的なネットワーク(法人の事業所間等)に使用することが多かったのです。
ところが、最近では個人や家庭で所有するパソコンが増えて、数台からインターネット接続の要望などがあり、イーサー環境(Macには標準装備の物が多い)も整ってきたことから、ルーターが 脚光を浴びだしたのです。
ルーターの種類もいくつかあり説明し出すときりがないので避けますが、プロトコル(通信のための言語)がTCP/IPだけの物と、マルチプロトコルルーターと呼ばれる複数のプロトコルに対応した物があります。もちろん後者が高い(15万くらいから)のですが、通常のダイヤルアップ接続や専用線接続では必要ありません。マルチプロトコルルーターは10〜20万円と高価ですね。アップルトークでLAN間接続をする以外は必要なくなっています。
ダイヤルアップルーターとして使うだけなら、NTT-TE(製品はBUG)やヤマハのものが使用者も多いので、問題が少ないと思います。
 
 
No4. 音響カプラ
昔はモデムと言うよりカプラしかなかった。カプラというのは受話器に直接マイクとスピーカーを押しつけて、通信音のやり取りをします。もちろん、電話でしゃべるのと同じなので、密着させるとはいえ、外部の音が大きければ雑音が入りエラーの元となります。通信インフラの整備されていなかったり、通信規格が違う国やホテルなどで回線が確保できない等理由で使用するには有効です。ただし、通信速度は遅いです。1〜2万円で売っています。
 
 
No5. IP・ARA(アップル・リモート・アクセス)サーバー
ちょっと珍しい物も紹介しましょう。通常IP・ARAサーバーといえば、専用サーバーをたてて、難しい管理が必要なように感じます。ここで言うIP・ARAサーバーとは遠隔地からLAN上にアクセスする為の物。通常のパソコン通信ではLANまでは入れない。BUG社からNetEntrance(ネットエントランス)という便利な製品(定価約29万円)があります。これはNetEntranceが単体でリモートアクセスサーバーとなり、外部からの着信や発信の出入口となります。ポートは全部で5ポート(1ポートのみ標準装備、他は1万円でシリアルカードを増設する)あり、5回線までの同時通信が可能となります(TAやモデムは別途用意しなければならない)。ルーター間のように公衆電話からLAN上に接続できるのだ。
IP・ARAサーバーのように専用機もいらず、管理も簡単(専用ソフトで分かり易い)なので、外部からの接続者が少ない場合やTAやモデムを多人数で共有するには向いている。もちろんWinとMacで共用(ソフトも両方入っている)できるので、混在した環境にも便利。その他の機能としてFAXモデムシェアやプリントシェア(LocalTalkにも対応)機能があります。
 
B.U.G., Inc. NetEntrance
 
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